2008年7月20日日曜日

おんたけに駆ける波紋と赤石の攻防

7/20 OSJおんたけウルトラトレイル100kmレースに出場した。
このレース、深夜スタートであったため、睡眠不足によるパフォーマンス低下が懸念された。このため7/18の深夜に出発し、7/19早朝には大滝村近辺に到着し仮眠を取った。受付は昼からなのでそれまで仮眠をとる。夜までにどれだけ寝れるかというのが一つのポイントだと考えていたからだ。受付まで3時間ほど寝る事ができた。受付し、いつものようにブースを見学し、小物をゲット。15:00くらい、相馬さんがTVのインタビューを受けていた。カッコイイ。放送では293名のエントリーとか言ってた。 (実際には330人くらい出走しているようなことも言ってた)
それからザックの準備をし、おなかに物を入れて寝る。ザックは、水(といってもBAAM+・・・)2Lと、クエン酸、ジェル2本、グミ6粒、塩5粒、カムカムレモン5粒、梅固めたヤツ5粒、アミノバイタルタブレット5粒、パワーバー2本分、10秒飯1つが主な補給。ライト(ヘッド、ハンド)、ウィンドブレーカー、コンパス、携帯電話、セームタオル、鈴を持った。水2Lは結構重い。天然エイドがあることを考えるとどうだか微妙だったがとりあえず背負うこととした。
靴はlafumaのやわらかい靴で走りやすさを重視した。(後にこれが大きな失敗の一つとなるのだった・・・)
19:00くらいには、ザックも終わり、一通り服を着た状態で寝ることとした。実質1時間くらいウトウトできたので、睡眠的には朝、昼、夕とあわせれば充分だ。21:00くらいからゴソゴソ準備を始めた。本当は21:50くらいからでもいいだろうと思っていたが・・・周りが騒がしくなってきたので仕方なく・・・。
22:30には、ゴール会場で待ち状態だった。1週間前に菅平で一緒だった清水さんと出会う。同じく数人の方と知合い、スタートまでをすごす。スタート会場まではバスで搬送・・・ということだが、なかなか大変そうな状況で何度もピストン輸送をしつつ、スタッフゥ~のワンボックス車まで駆り出されていた。
22:50くらいにスタート会場に到着。第二関門に送る荷物を預け(使わないかもしれないけど、念のためって言うことで)スタートチェックをする。スタートまで談笑していると、ここで鏑木さんの登場。そうこうしてると石川さんの登場。TVカメラが来て、たくさんの選手を撮影していた。自分はインタビューはされてないがもしかしたら後ろの方に写ってるかもしれない。石川さんは、一度はインタビューを受けたものの、何度も追われて大変そうだった。「やめてください」とお断りもしていた。スターも大変だな。
そしてスタート。0:00走り出しは、清水さんたちと同じペースで行きながら心拍をモニターする。しばらく行くとさすがにペースが速いということで、バテないように清水さんたちから遅れて進むこととする。最初の登りが終わった10km地点で約1時間20分。悪くないペースだ。最初の小エイドが25kmくらいのところなので、3:00までには出たい。真っ暗な砂利道を躓きながら突き進むが、思ったよりもガレが大変だ。何とか平坦なところで走る時間を増やし、2:40位には小エイドに着く。お茶1杯を戴き、軽く足を伸ばし、第一関門へ向かう。第一関門は、35km地点。制限時刻は6:00だ。
できれば空が明るくなる前に到着したい・・・と思いつつも、到着は4:40くらい。完全に夜は明けている。というか夜明けはほぼ4:00丁度くらいだった。とてもその光景はキレイだった。感動した。第一関門にて水を戴き、スコーンのようなお菓子を一つ戴き、5分間横になる。この時点で、トップは次の小エイド(47km地点)を過ぎたということだ。4:50、第一関門を後にする。頭の中にあるのは、ここまでの所要時間から計算する次の関門の到着予測だ。うまくすれば9時くらい。遅くても10時には出たい。。。という感じだった。
しかし、その前の小エイド。ここが一つの分かれ目。47km地点ということで、ほぼ半分ということになる。半分を超えているかどうかというのは精神的な負担も変わってくるから、早く半分を超したいと思っていた。
しばらく走りながら、このコースのパタンが見えてきた。大きく尾根を右から回りこみながら続く登り。その回りも2段、3段とあり、尾根のピークでさらにあがるか下りか。尾根を回りこんで、谷のへこみまで行くと橋がありそれを渡るとまた新たな尾根へののぼりが続く。
結構、萎えてくるこのパタン。しかし、幸いなことに夜は明けているが、朝もやか今日は曇りか日差しはやわらかく気温も上がらない。
何度も止めたいと思いながらも、なんとか小エイド(47km地点)に到着。ここでも5分程度の休憩をし次へ進む。このあたり、ちょうど湖が見える景色で気持ちイイコースだった。ただし、全く走れる状況ではなかった。半歩き、半走りくらいがせいぜいだった。。。
湖を抜けてからが地獄のようなのぼりが始まる。ここからは例のパタンで全体的に登りというコース。日差しも徐々に厳しくなり、暑さとの闘いがここから始まるのであった。
既に、のぼりは全歩き。下りはなんとか走るという感じだったがこのあたりに来てこのコースの真の恐さが明らかになってきた。それは「ガレ場」普通のトレイルではそれほど連続しつづけない「ガレ場」がこのコースの9割以上。予想以上に足の裏へのダメージがあり、徐々に走ることができなくなってきた。膝、足首、股関節などは長時間の運動で痛くなることは良くあるが、足の裏が痛くて足が出せない。これは驚いた。玉砂利の足湯などで足が踏み出せない人の感覚に近いだろう。。。徐々に蝕まれていく足。脚力もなくなっていくがやはり足のダメージが大きい。
遠くの山並みが見えるが、そこに見えるのはコレまでも走ってきた林道だ。あの先まで行くのか。果てしなく気が遠くなる。
倒れそうになりながらもなんとか第二関門(64km地点)に到着。この時、9:45分。途中のペースダウンもありながらも何とか想定の範囲でそこまで悪くなかった。水を3杯位、キュウリを1本戴き、保有の補給にて回復を促し、10分くらい休憩。ザックにあるゴミをデポし、少しでも荷物を軽くし出発。10:00だ。
ここからがさらに日差しが厳しくなる時間帯だ。第二関門に来るときにイヤというほど味わったコースパタンを何度も繰り返し、第三関門へ向かう。しかし、このあたりから疲労はピークに。何度も途中で座り込む場面が出てきた。天然エイドの休憩は必須だ。第二関門から第三関門は、大きな登りはない。逆に第三関門は標高の低いところにあるため長い下りがある。下り基調になった瞬間、できる限りノンストップで駆け下りる。
休んだりしたがなんとか、13:00くらいに第三関門(80km地点。実際には78km地点)に到着。ここでも充分な休憩を取る。おにぎりがあったので喰らいつく。塩がおいてあったのもありがたい。水と米と塩を補給できた。ここから最後の闘いだ。
新たに登りが始まるが、どうも調子悪い。お腹が変だ。食べ過ぎたものが消化できてないのか!?それもあるかもしれないが、実はそうではなかった。長い下りでの腹筋と背筋への筋肉疲労だ。要は筋肉痛。
登りのペースも落ち、下りは足のダメージで走れず、周りの選手からはどんどん遅れる。悔しいが仕方ない。自分との闘いだ。ほぼ歩くのみとなった状態で長い下りを過ぎなんとなさ以後の小エイド(92km地点)に到着。この時点で一緒に来た人と一緒に、最後まで頑張ろうと誓いエイドを後にする。ここからは林道2km、車道3、4km最後の導入。という感じだと聞いた。100kmには少し足りないようだがもう充分だ。砂利道の林道は辛かったが、なんとか半分くらいは走り車道へ抜ける。車道に入ってからは疲労はピークではあるが、道が平らというだけで気持ちが違う。走れる。決して速くはないが、走り始めた。3kmは走りきれなかったが、半分近くは走った。最後の導入ではまた歩いてしまったが、ゴール会場に入るところでは力を振り絞り走った。結果は17時間1分○○秒だった。17時間は切れなかった。が、それは結果の問題であり、今回はあくまで完走。しかも、自分なりの戦略で、できる準備の中で達成した事実が重要だと感じる。
ゴール後、一緒に走った方とも互いの健闘を称え、次回のレースで会うことを約束する。
シャワーを浴び、着替え、帰り支度をする。20:00からのフェアウェルパーティに備え、約2時間寝る。うっかり寝過ごし、起きたのは20:20。お腹もすいたので、飲み物と食べ物をいただきに行く。キュウリの浅漬けが旨かった。
出ていたのは、他にピザ、フライドポテト、ポテチ、枝豆、バナナ、トースト。鏑木さん、石川さんのコメントとか、おもしろかった。
21:30パーティ終了。さて、これからどうするか。寝るか、どこかに向かうか。帰るか。
考えた結果、体のダメージが大きすぎることから観光の選択肢は消えた。睡眠については、しばらく大丈夫そうだということが分かったので帰路につく。帰りは安全運転。たくさんの車に抜かれつつ一般道を抜ける。高速道路、115km定速走行。まずは諏訪SAに立ち寄る。何か食べるか・・・一瞬考えたが何も食べず、わさびスモークチーズ、スモークソーセージを買い、次を目指す。次にやってきたのは双葉SA。このあたりでちょっと限界。ということで、ここで仮眠。目覚める。朝6:00。双葉で朝っぱらか辛みそラーメンを戴く。大きいSAをめぐりながら帰路を楽しむ。次は、談合坂SA。ここでは馬肉の燻製を買ってしまう。都内に向かうにつれだんだんと車が増えてくる。箱崎は渋滞だった。湾岸方面に抜け、木場で降りる。一般道を走り到着。結局帰宅は9:00帰ると同時に、臭くなった洗濯物が待っている。なんとなくテレビを見て、昼にツタヤに行くが、見たいと思えるものがなくほぼそのまま帰った。夕方、一瞬落ちたが、その後無性に渇きに襲われた。
こんなとき、混ぜ物なしの水が一番だ。しかも適度に冷えているもの。ということで、近所のベルクスに、水をキュウリを買いに行く。キュウリ、なぜだが塩つけて食べたくなってしまった。一気に2本、続いて2本食べてしまった。水もエビアン1.5Lを3、4時間で空けてしまった。。。
こうして、7月のビッグイベントが一通り終了となり新たな闘いへと準備をしていくのである。。。

2008年7月6日日曜日

霧ヶ峰を疾走する霧の波紋

7/6 諏訪市のイベント花祭りの一環で「霧ヶ峰ロゲイン」が開催された。
昨年、このスポーツを知り、幸いにも今年度はシリーズレースとして企画されたらしい。
3月の大会はスキーシーズンで出られなかったが、今回よりできるだけ出場したいと考えている。

ロゲイニングとは、競技のオリエンテーリングであり、タイムレースと言うよりは獲得得点の競い合いである。
このためルーティングはコース内の条件内ではあるが各自の裁量によるものとなる。

今回は原則としてはお楽しみイベントであり3時間と言う短い時間枠の中で行われた。

2000m級の山と言う事もあり、森林保護の観点からか指定された道以外の走行はNGであった。

自分は、7/5の朝に現地入りをし、コース内を試走した。
いくつかのCPは既に設置されていたが、地理感を最適化する事と、前日ではあるが折角のトレーニングができる日でもあったのでフル装備で山に入ってみた。
走りやすいところもあったが、瓦礫と沼地、そして緩んだ木道が多かった。
走りやすかったところは、笹だらけで、フルスーツでなければ切り傷が多いだろう。

前日のインスペクションでは、以下のルートだ。

強清水(ヒュッテ霧ヶ峰)-霧ヶ峰自然保護センター-沢渡-御射山ヒュッテ-八島高原-鷲ヶ峰
-鎌ヶ池キャンプ場-物見山-蝶々深山-車山乗越-車山山頂(気象観測レーダー)-車山肩
-霧ヶ峰自然保護センター-強清水(ヒュッテ霧ヶ峰)

概ね全体で15km程度だと思う。
いくつかのCPを見つけつつ、いい運動になった。

気になるのは登りにせよくだりにせよ、瓦礫道はペースを上げにくい。
しかも走り続ける事はなかなか至難の業だ。

14時過ぎに宿に戻り、チェックイン。
相部屋らしいので、知り合いができたらいいな。。。と思いつつ同室の人を待つ。

風呂に入り、汗と汚れを落とす。

15:30からはロゲイニングの講習だ。
講師は去年の朝霧でもお世話になった、村越さんだ。
相変わらずの金髪ヘアーに飄々とした感じだった。
しかも、MTBで遊んでて遅れたときた。。。。じ、自由な方だ。。。

講習は屋外講習で、読図的な話の前に、地形図の説明がされた。
ちょうどいい凹凸があり、等高線の説明から入り尾根、谷、斜度の緩急の現実と地図の違いを図解ならぬ現物解で講習。
そして、シミュレーション的にCPを配置した地図を見て地形の読み取りなどを行った。
受講者は、OL経験者ばかりであり、ロゲイニングのみ初と言う方が比較的多かった。
そう言う意味で自分は完全に異色だった。
参加者の中に、地元の主催者がいたが、CPの配置やルート、混雑状況などに関する諸情報が提供され、
これっていいのかな???と各人が内心で感じていたようだ。

その後、BBQが始まった。
地元でとれた肉や野菜、手作り料理が振舞われまた一歩メタボに近づいた。

関西、北海道など遠方からの参加者もいるということもわかった。
BBQ後、軽くローラーの練習をした。初の下り坂で、恐ろしくスピードが出てびびった。
こけるしか止まれないと感じつつもとりあえず突っ込んでみた。
結果としては平地で減速してなんとか止まり、事なきを得た。

戻ると、同室のお父さんが壊れたレコードのように語っていた。。。
2時間くらい似たような話をしつつ、22時くらいには床につくのであった。。。


7/6当日は6:30の起床、7:00からの食事をとり準備した。
サプリメントを摂取し、VAAMを飲む。準備万端だ。
8:30くらいに受付を済ませ、シューズを履く。
8:50には現地入りし、その時を待つ。

9:15より競技説明があり、9:40にはe-cardのアクティベーション。
9:48に地図が配布され、9:50から地図オープン可能。
ルーティングはほぼ頭の中にあったので、それをベースに点数から確認。
概ねブレなく行けそうだ。
自分の走力の目安が判断できないので、この地点での時間確認、
と言う事だけを決めて最初に向かうCPに向けて気持ちを集中。。。
10分と言う時間で戦略ってできないと思いきや、今回は全体地図のイメージがあったからか3分で戦略が練れた。
ちゃんと点数計算したルーティングを考えるとしたら8分くらいで十分できるだろう。
そう考えると10分は妥当な時間だと思った。

10:00スタート
道に迷いはない。まっすく進むだけ。
しかし、ペースはキープが難しい。
開始1分でなんだか辛いな。。。と感じつつ心拍上げ過ぎない位でキープキープ。と進むものの
上り坂はやはりきつい。
途中から歩き始めてしまった。
速い選手からは少しずつ引き離され、後ろからも抜かれる。
後ろから来た選手は、別のCPを取った後同じ方向へ向かっている。
これが力の差。。。と噛みしめながらひたすら登る。車山の頂上だ。
最初に登っておかなければ後が辛いという判断だった。
後からみると、自分と同様に右辺を攻めた人と、下部・左辺を攻めた人がいたようだった。
車山から、車山乗越へ、蝶々深山、物見山とお手軽高得点を狙い、沢渡へ抜ける。
出たところが御射山ヒュッテに近かったので、そちらを回って強清水に戻るコース。
物見山まで行って、1時間チョイ。御射山ヒュッテあたりで1時間45分くらい。
コース戦略的には悪くない。
帰りにポイントを取りながら、霧ヶ峰自然保護センターに来た時点で残り45分。
最後はゴール近くなのでどこまで回るかがポイント。
体力の問題もあるので、近場から都度状況を確認しながら詰めていく事とした。
まずはリフト上のポイント、そしてグライダー乗り場から奥の神社に向かう。クロカンコースをとるかどうか悩みながら走ってるとみんなが向かっている。
これはとらねば!!とそちらに向かう。この時間までに戻れなければキャンプ場は捨て、戻れたらキャンプ場回りでいく。
クロカンコースを片道1.5kmくらいはちょっと辛かった。結構歩いた。が何とか残り20分。
キャンプ場まで行って戻ってペースが悪くても5分のバッファはある。

止まりそうな体に鞭打ちながらなんとかキャンプ場をゲットしゴールへ。
結局10分前の到着。

戦略的に間違いはない。しかしもっと攻めれたはずだ。。。と思っていると、村越さんがギリギリアウト
8秒オーバーで100点マイナス。
しかし、結果は3位だったが、取得ポイント数は1位。
このギリギリの攻めが自分を熱くさせる。

ロゲイニング、如何に自分を知り、コースを知り見えない敵と競い合うかというスポーツ。
駆使するのは頭脳、体力(持久力、走力)、そして自分の心理コントロールと深いものがある。

今回、結果は44位。獲得ポイントは1171で、素人としては悪くない。
が、しかしもう少しの走力で20番台まではいけそうだ。

トップ選手を見ていても、決して短期的に速くはない。がしかし継続的に速い。
これがエンデュランス系、超持久系で必要な要素だと思う。
その上で基本的な速さを上げて行く事になるのだろう。。。